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ヒト
川とサウナ

地域資源に新たな価値を見出す 「川とサウナ」の視点(2)

地域資源に新たな価値を見出す 「川とサウナ」の視点(2)

ヒト サウナをこよなく愛する団体(川とサウナ)
トコ 水資源が豊富なまち
コト 地域資源を活用したアウトドアサウナイベント

主宰の橋本さんがサウナと出会ったことをきっかけに、埼玉県秩父郡・横瀬町でサウナ活動を始めた「川とサウナ」。本格的なサウナブームの到来とともに、地域を盛り上げるコンテンツとして、今年はますます注目されそうです。

後半では、地域×サウナの可能性と「川とサウナ」の今後の展望について引き続き主宰の橋本健太郎さんにうかがいました。

サウナが見出す、地域資源の新たな価値

クチコミがクチコミを呼び、クローズド・コミュニティとしての規模が徐々に拡大していった「川とサウナ」。イベントが始まった当初はテントサウナの所有者も少なく、各地から“テントサウナ遠征”のオファーをもらっていたと振り返ります。

橋本さん「各地域を盛り上げようとしている人たちから『良いBBQスポットがあるからサウナ持ってきてよ』と声をかけてもらって。山梨、愛知、新潟、静岡などなど。いろんなところに行きました。『うちの町にはこんな川や、こんな美味しい食べ物があるよ』と現地の人に教えてもらいながら、サウナをきっかけに観光ができるんです。」


▲「川も地域や場所によって違って、川の水の良さや違いもだんだんわかってくるんです。(橋本)」

サウナを組み合わせることによって、何気ない大自然の川が「ここは景色が良い」「ここは水の音が良い」「ここは星空が綺麗」などと、今まで気づかなかった自然の良さを感じられるようになった、と橋本さん。地域の食材とのコラボレーションも、サウナで味覚が研ぎ澄まされることでより深く味わえるのだとか。なるほど、地方とコラボレーションすることで生まれる「オイシイ話」ですね。

▲このイベントでは、「サ飯」としてザリガニパエリアが登場。サウナの本場・北欧にはザリガニを食す文化が。

橋本さん「地域ごとに色々工夫もされていますよ。だから、僕たちは彼らがやりたいことに合わせ、サウナイベントを実行するためのアドバイスをしたり、サウナをより気持ちよくする方法をレクチャーしたりもします。ただ、最近は地域にテントサウナを所有する方も増えたので、遠征に呼ばれたとしても、もはやテントサウナも持っていかずに、現地のテントサウナ所有者にアドバイスする程度で、ただただサウナを楽しんで帰るだけの日もあります。(笑)」

地方を盛り上げるコンテンツとしてのサウナ

サウナ×地域の可能性を見出した「川とサウナ」。「2021年は地方創生文脈の活動が広がっていく年になりそう」と橋本さんはいいます。今後は一体どのような広がりを見せるのでしょうか。

橋本さん「最近、川とサウナメンバーが横瀬町のシェア型ペンションにサウナ小屋を作りました。基本的にはオーナーのみ活用できる場所ですが、町民限定のオープンデーを作り、地域の方々にもサウナに入っていただけるようにしています。身近に良いサウナがあるということを知るだけでも老若男女ともに興味をもってくださる方がたくさんいて嬉しいです。

もう一つ。最近、僕が埼玉県の官民連携アドバイザーに就任しました。横瀬町以外にも飯能エリアなど埼玉の水辺を盛り上げるべく、これからエリアを拡大させながら、同様のサウナ企画をたくさんやっていきたいです。

それから実は、“川”以外の場所でも開催してます。直近だとガーラ湯沢というゲレンデでサウナを実施したり、今あるネタだと『お寺でサウナしましょう』みたいな話もあります。僕たちは川が得意ですが、寺が得意なサウナチームもいまして(笑)。餅は餅屋、寺は寺屋といいますか…(笑)。連携したりで楽しいです。サウナ界はコミュニティがすごく近くて、みんな仲が良いんです。お互いに常に情報交換していきながら、色んな面白いサウナに出会えたら最高ですね!」

アウトドアサウナはサウナ愛と共に乗り越える

サウナというフィルターを通すことで、地域資源の新しい視点を提供し、さらにその独特のコミュニティゆえに仲間を次々と増やしてきた「川とサウナ」。では、今後サウナイベントを検討する際、どういったことに気をつけるべきなのでしょうか。


▲交互浴を楽しんだあとは、川辺のキャンプチェアに腰かけて「ととのう〜」。

橋本さん「まずは公衆浴場法ですね。公衆浴場法とは、公衆浴場を運営する上での法律のこと。不特定多数の来場客が見込まれ、かつ継続的に開催して利益を得る場合は公衆浴場法が適用になります。設置場所や環境などのルールを厳密に守らなければなりません。

僕たちの場合は仲間内のみで開催しているので公衆浴場法の適用外として運営しています。」

そしてサウナイベントを運営・開催するためは、ルール以上に重要なポイントがあるのだとか。

橋本さん「運営チームの中に、サウナ愛のある人がいることがマストです! やっぱサウナ愛のある方はこだわりますし、その愛情を感じられるサウナって断然気持ちよいのですぐわかります。」

インタビューの最後には「いろんな場所でサウナをして美味いもんを食いたいので、サウナのことなら気軽に何でもご相談ください!」と笑う橋本さん。「川とサウナ」のエピソードから伝わってきたのは、並々ならぬサウナ愛とローカル愛でした。

サウナに限らず「何かをこよなく愛する人の視点」は、日常私たちが目にしている景色とは異なる景色が見えている可能性に気づかされます。こうした「偏愛フィルター」は、時に見落としている地域の魅力に気づかせてくれるきっかけとなるかもしれません。

Writer西山 綾加

岐阜県出身。学生時代からイベント制作に携わり、制作会社勤務を経て、旅行会社に転職。社会人2年目、巡り合わせでライター業を始める。音楽コミュニティー「SHAKE HANDS」所属。座右の銘は「袖振り合うも他生の縁」。新たなご縁を求めてひとり旅に出ることが趣味。