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ヒト
川とサウナ

地域資源に新たな価値を見出す 「川とサウナ」の視点(1)

地域資源に新たな価値を見出す 「川とサウナ」の視点(1)

ヒト サウナをこよなく愛する団体(川とサウナ)
トコ 水資源が豊富なまち
コト 地域資源を活用したアウトドアサウナイベント

「ととのう」を代表とするサウナ用語が生まれるなど、もはや社会現象となったサウナ。そんなサウナを使って地域を盛り上げる「川とサウナ」というコミュニティが、埼玉県秩父郡・横瀬町に存在します。

テントサウナで温まり、そのまま冷たい川へダイブ。そして川辺で美味しい食事を楽しむ…。地域の自然を余すことなく楽しむ「川とサウナ」はどのように生まれたのでしょうか? 主宰・橋本健太郎さんに発足の経緯をインタビューしました。

運命的な出会いをきっかけに、地元にサウナを持ち込む

現在都内でデザイン会社を経営している橋本さん。サウナに出会う以前から「川とサウナ」の拠点とする横瀬町とは関わりがあったといいます。

▲埼玉県の北西部に位置する横瀬町は、自然豊かな土地。

橋本さん「デザイン会社でクリエイティブの仕事をする傍、地元である埼玉県で、横瀬町を盛り上げる活動に携わっていました。横瀬町は人口約8千人の小さな町なのですが、町長をはじめ役場の方々がすごいアクティブで、様々な取り組みをしています。町をつかった実証実験のチャレンジできる『よこらぼ』からはじまり、様々なクリエイターとともに新しい学びを作った『横瀬クリエイティビティークラス』、地域住民の働き方を学ぶ『はたらクラス』など、全国的にも珍しい、役場職員・町民共に活気のある地域です。」

橋本さんをはじめ、関係人口にあたる外部の方々、横瀬町民の皆さんによって横瀬町は、“面白い町”として注目を集めるようになっていたそうです。

橋本さん「ちょうど2年ほど前、下北沢で期間限定で開催されていたサウナ企画に訪れることがありました。それまでサウナに入ったことすらなかったのですが、サウナーの皆様に指示いただきながら入ったところ、めちゃくちゃ気持ちよくて。一発でどハマりして、そこから週5日でサウナに通うようになりました。横瀬で一緒に活動しているメンバーにも『サウナやばい』って、めちゃくちゃアツく語っちゃいましたね。」

当時はサウナブームの黎明期。サウナと運命的な出会いを果たした橋本さんは、ある日、横瀬のメンバーを引き連れて、埼玉県のグランピング施設で行われたサウナイベントを訪れます。

橋本さん「そこでは、サウナの火おこし選手権をやっていたり、お風呂アイドルが来ていたり、いわば“サウナフェス”が行われていました。その中でテントサウナと出会い、さらに購入できることを知り、あっという間に一緒にいたメンバーで購入することを決意しました!」


▲イベントで出会い購入した初代テントサウナ。“サウナ業界のフェス”に参加したことから「テントサウナ×川の組み合わせ」が生まれたそう。

火照ったカラダを清流に投じる、ディープなサウナ体験のスタイル

イベントでのテントサウナ購入をきっかけに、横瀬で発足した「川とサウナ」。「川」にフォーカスしたネーミングにはどのような狙いがあったのでしょうか?

橋本さん「そもそも埼玉県には川がたくさんあって、休日はBBQをやることが多いんです。なので、サウナ購入したら毎日サウナできるじゃん!と考えました。」

▲テントサウナで温めた体が冷えないうちに、川へダイブ。熱々のサウナと大自然の「水風呂」の交互浴で体の調子も整ってくる。

さらにはサウナ後の食事、通称「サ飯」も一緒に味わえる贅沢さ。

▲サウナの合間にカレーやBBQを楽しむ。“サ飯”にはご当地の食材が並ぶことも。この日は横瀬産の大粒ないちごが登場。

橋本さん「サウナの後って、すごくお腹が空くんです。その上、汗を流すことで、カラダの中の塩分やミネラルが失われますよね。だから塩分濃いめの食事や、ミネラルたっぷりの飲み物が、普通では体験できないほど深い味わいになるんです。

しかも味覚が敏感になるため、いろんな食べ物と相性が良くて。そこで、最初はBBQメインだったのを、寿司はどうか?ラーメンはどうだろう?と、“川とサウナと〇〇”という形で、いろんな食べ物と合わせてサ飯の可能性を実験し始めました。」

美味しい食材を求めるあまり、過去には参加費が高額になることもあったといいます。イベントの企画時には相性の良い料理の模索から始めるというほど、サ飯は「川とサウナ」に欠かせない要素なのですね。

橋本さん「一番参加費が高かったのは、1人1万円の熟成肉イベントでした。“熟成兄弟”という究極のサ飯を追及するユニットとのコラボだったのですが、あっという間にすぐに定員に達してしまって。河原で行うパーティーに1万円の企画が即埋まるというのはさすがに驚きました。」

▲サウナの合間には豪勢な熟成肉を堪能できる“川とサウナと熟成肉”の会。

しかし地域によっては、テントから出てきた人たちが急に川へ飛び込む様子に驚く人もいるのでは?

橋本さん「基本的に、キャンプ場やBBQ場で開催するので、住民がいるようなところではそもそもやっていなくて。『なんで冬場に川飛び込んでんねん!』と声をかけられることはありますけど。(笑) 「川とサウナ」も徐々に、別地域の方に呼んでいただくことも増えて、行く先々で実は「オイシイ話」に出会うことがあるんですよね。」

「今年は地方創生×サウナが広がっていく年になりそう」と、地域創生とサウナの可能性を語る橋本さん。地方に絡んだオイシイ話とはいったい何でしょうか?

来週公開の後編では、地域を盛り上げる「地方創生コンテンツとしてのサウナ」の活用方法をうかがいます。

Writer西山 綾加

岐阜県出身。学生時代からイベント制作に携わり、制作会社勤務を経て、旅行会社に転職。社会人2年目、巡り合わせでライター業を始める。音楽コミュニティー「SHAKE HANDS」所属。座右の銘は「袖振り合うも他生の縁」。新たなご縁を求めてひとり旅に出ることが趣味。